思いかけずに婚外恋愛が終ってしまうときがある

私の夫ははっきり言って「マザコン夫」です。

結婚するまでは、このマザコンぶりを優しさと勘違いしていました。世間はよく、「男なんてみんなマザコン」と言いますが、私の夫は世間が言う平均的なマザコン夫以上に、マザコン化していると思います。

 

姑に助けを求める情けない私の夫

夫と喧嘩していて、夫は勝ち目がないとわかると、いつも姑に助けを求めます。そのため、最終的には私と姑の対決になってしまうのです。

 

「オフクロ、俺たち夫婦の問題だからよけいな口出しはしないでくれ」

夫婦喧嘩していると、その仲裁に入ろうとする姑に対して普通の夫ならこのようなことを言うのではないですか?

えっ、言わない?じゃあ、あなたの夫も私の夫と同じ超マザコン夫なのでしょうか?

えっ、違う?

あー、夫婦喧嘩自体しないということなのですね。それは仲が良くていいことです。だけど、夫婦喧嘩するきっかけもないほど会話をしないという救いようのない不仲な夫婦もいます。

まあ、100組の夫婦がいれば、100通りの婚姻生活があるといいます。

しかし、そう考えても私たち夫婦はちょっと異質な夫婦なのではと思っています。

夫婦喧嘩になると、いつも2対1で私が負けてしまいます。姑が夫に加勢するので舅が私の味方にでもなってくれるといいのですが、舅は一昨年、他界いたしました。

それで、私は一人で果敢にあの二人と闘っているわけです。

実は私はあることを思いつき、準備していました。それは、不倫をする、いや、不倫という言葉は止めましょう。今、おしゃれな言い方があります。

婚外恋愛です。

この婚外恋愛で姑の傘下に安住している夫を攻撃してやろうと考えました。これについてはもう少し後でお話します。

 

末は社長夫人かと思ったが、会社が倒産

私、これでも21歳のとき、X市が主催したミスコンテストに出場し、ミスXに選ばれたことがあります。

ミスXに選ばれた私を自分の息子の嫁にしたいと、姑が姑の遠縁にあたるX市市会議員を通じて私の父に申し出たのです。

この辺りで、夫の超マザコンぶりに気付けばよかったのですが、夫の実家はX市屈指の名家であるだけでなく、相当な不動産を持ち、その上、会社も経営しており、将来は社長夫人の可能性もあるということに目がくらんでしまったわけです。

しかし、結婚10年目辺りから、会社の経営が上手くいかなくなり、会社の借金返済に相当あった不動産が使われ、現在は自宅近くの一山のみになりました。

結婚当初、100人以上はいた会社は縮小、縮小を繰り返し、結局は倒産し、現在、従業員3人で小さな宅配ショップをやっていました。

二人の子供たちにはバレエとスケートを習わせていましたが、この手の習い事は月謝が非常に高いこともあって止めることにし、そのかわりというか、今、静かにブームになっているそろばんを習わせることにしました。

 

 

夫への復讐:婚外恋愛

「どうして、ダンナさんへの復讐が浮気、いや婚外恋愛というものになるわけ?」

高校のときからの友人に夫のことを話してみたところ、」あのような質問をされました。

「いやあ、色んな方法があるかもしれないけどね。いきなり、離婚届の用紙を出すとか、家事の全面拒否とか……」

「「あー、わかった、最近、Hがほとんどないから、婚外恋愛で?」

「いや、そういうことではなくて、離婚をいきなりつきつけるよりはまず、婚外……まっ、はっきり言えば浮気ね。別に婚外恋愛と言い換えなくてもいい」

「カモフラージュする必要が無いぐらい、ダンナのことはどうでもよくなったとか?」

「そうね」

「ちょっと流行りの言葉を使ってみただけとか?」

「アハハ、直に離婚に向かうよりはまずは、あっちに精神的な打撃を与えてやりたい」

「そのあちら側を翻弄させたい気持ちはわからないでもないけど、そんなことしたら離婚するときに慰謝料をもらうことができなくならない?」

「慰謝料なんて期待していないから。昔はかなりの財産家だったけど、今は近所にある小さな山一つだけだから」

「そうか、今、山は安いからねえ」

「うん。それよりも離婚前の婚姻中でありながら禁断の恋におぼれていく人妻に……あー、どうしよう、週刊文春に来られてしまったら」

「(呆れて)数十年前のミスX程度のあなたを天下の週刊文春が追いかけてくるわけないでしょうが」

 

まあ、最後のほうの会話は面白可笑しくやってみただけですが、浮気などせずに単に離婚に同意してくれた場合、現在、あっちには財産もないわけでもらえるものはない、養育費を請求できるかできないかというところでしょう。

いや、離婚を拒否されれば、「どうしても離婚したいのなら養育費は出さない、無一文でこの家を出ていくように、きっと姑に言われることでしょう。

そこで、考えたのは婚外恋愛で再婚相手を見つけるということ。自分で言うのもなんですが、かつての美貌の片鱗が見え隠れする顔で、今度こそマザコンではないステキな男性を射止めようかと思っているわけです。

そのためには少しでも若いうちに……。年をとればかつての美貌もその他大勢の中に埋もれてしまいますから。

 

婚外恋愛の相手探し

婚外恋愛の相手はネットの出会い系サイトを利用して3人程、ピックアップしました。

出会い系サイトでの私のタイトルは「婚外恋愛の相手を探しています」

 

現在、42歳の私の年齢を基準に同年齢の男性、十歳年下の男性、逆に十歳年上の男性、この三人とまず、メールを始めました。メールをしながら会って話がしてみたいと思った男性が同年齢の男性です。

年が近くて話がしやすいと言うだけでなく、バツイチではあるけれど、

 

・現在は独身、

・1人いる子供は元妻が育てている

・職業は市の職員

というプロフィールが気に入りました。

 

とくに金銭的に天国と地獄を経験した私にとって、安定した公務員は理想的な職業です。

というわけで、私の理想とする再婚相手にピッタリです。

メールもきちんと返してくれるし、「ですます」調も崩さず、その適度な距離感が信頼感までに発展し、この人となら会って話をしてみたいと思うようになりました。

 

彼と出会うための工作

夫には前出の友人の家に行くと言って出かけました。彼と出会う場所は友人の家の近くのファミレスにしました。

そして、再婚相手を選ぶという目的があるため彼を前出の友人にも見てもらうつもりでした。

私はへそくりでためたお金の範囲で頭からつま先まで勝負のおしゃれをしていきました。

メールから温厚そうで真面目な雰囲気の人という私の予想で、派手過ぎない品の良さを重視した洋装や靴を選びました。

いつもはおしゃれなどしない私なので家でこれらを着て家を出るのはおかしいし、ましてや友人の家に行くのにこのような服は着ません。

そこでGパンとTシャツという普段と変わらない格好で家を出、て友人の家で着替えさせてらうことにしました。

 

彼と出会う

第一印象は良かったです。

食事は向こうが全部払ってくれました。払ってくれたといっても、私はカルボナーラとコーヒーで彼はハンバーグランチ。

ハンバーグランチはコーヒーがついていたので一品のみ。

でも、これでいいんだろうなと思いました。いきなり高いところから始めるよりも様子見程度から始めるほうが無難です。

もしかしたらこれで終了!ということも考えておかなければいけません。

彼は私のことをどう感じたかはその時点ではわからなかったけれど、私は彼と暫く交際してみてもいいと思いました。

若干、髪の毛が薄いことが気になりましたが、私と同じ42歳ということを考えれば、それも致し方ありません。

私だって40過ぎのおばさんです。私の欠点の何かを見つけつつ、片目?ぐらいはつぶらなければと彼も思ったことでしょう。

私のことはすでにメールで色々,話していたし、彼の詳細も知っていたので、もう自己紹介のような話はせず、互いの趣味や昔流行った歌や映画などの話をしました。

 

彼との再会を約束

「また、会っていただけますか?」

私は全く異論はなく、彼の申し出をOKしました。

彼と手を振って別れた後、友人にも彼を紹介することになっていたことを思い出しました。

私は彼女を呼ばなかったことを謝り、「第一印象はOK,又、会うことにした、おそらく付き合うようになると思う」と予測も加えて友人にメールをしておきました。

 

 

彼と会った日の夜、家族には補馳走を!

 

「おっ、今日は焼肉だ」

「うわーい、久しぶりだー」

夫も子供たちも大皿に乗せられた大量の(少し大げさですが)肉やウインナーを見て大喜び。

姑が「今、入歯の調子が悪いので肉が噛みきれない」と言い出しました。いつもなら、また、始まったと思うのですが、彼との交際が上手くいきそうな予感に「お母さんには卵どんぶりとお刺身を用意しますから」

と、言葉を返すことができた私に自分でビックリしました。

婚外恋愛という未知の世界に足を踏み入れるワクワク感がこんなにも人に優しくできるようになるとは、新発見です。

夕食の献立だって、彼と会うまでは100gが78円で買った特売の豚ひき肉を使ったマーボー豆腐の予定だったのですが……。

彼と出会った帰りのスーパーで夫に対しての多少の後ろめたさ、恋人ができそうな予感などを胸に感じながら買い物をし、レジに並んで自分の番になったこところで大量の肉をかごの中に入れていることに気づきました。

「まっ、いいか」

 

しかし、私が変わると周囲の空気も変わるということに気づくことができました。

「ママ、今日は何だかきれいよ」

私が肉を焼いているとき、子供が私を見上げて言いました。

もう例のおしゃれな服は脱いでいつものGパンとTシャツに戻っているのにあのようなことを子供が言うのです。

夫の顔のどこか優し気です。

 

まあ、どういうことにせよ、きれいと言われて嬉しくない人はいませんよね。

こんな感じで婚外恋愛を続けていけるのであれば、何も離婚することないかなとまで考えてしまいました。

婚外恋愛のおかげで家族に優しくできたり、姑の言葉も素直に受け取ることができ、家庭が円満に営まれるのであれば、婚外恋愛をすることのメリットもそこにありという感じで悪くないと思うのです。

 

婚外恋愛、始まる

彼とのお付き合いは一週間に一回のペースで始まりました。

まだまだ、二人だけの時間を過ごすにはぎこちない部分があり、映画とかボーリング、カラオケ、いちご狩りなど、イベントの力を借りて二人の時間を楽しんでいました。

このような状況から脱皮するのに約3カ月かかりました。あれはあれで楽しくないことはなかったのですが、やはり大人の男女としての付き合いを成就したいという思いがありました。

 

彼と一線を超える

「これからホテルに行かない?」

このような彼の言葉を待ち望んでいないはずはなく、私はすごく嬉しかったのですが、すぐにOKすると随分尻軽な女に見られると思い、彼の突然の言葉に驚いたふりをして絶句していると、

「いや、ごめん、結婚しているあなたにおかしなことを言って悪かった、聞かなかったことにして」

「いえ、行く、行きますっ」

自らも婚外恋愛を望んでいながら、清い関係のまま交際を続けるのは自分の気持ちに素直ではありません(そういう婚外恋愛もあるでしょうが)。

また、彼だって最終的には男女の関係になることを望んで私と付き合おうとしているのだから、その期待にいつかは応じなくてはいけないという使命もあるでしょう。

その勇気ある誘いにのらなければある意味、ルール違反になると思うのです。

まあ、出会い系サイトの本質をよくわからずに清い関係のまま交際を続けられる相手探しに利用する人もいるかもしれませんが、出会い系サイトで出会いを求める人、とくに男性は最終目的は相手と一線を超えることを望んでいる人がほとんどといいます。

 

夫を拒否

彼と一線を超えて二カ月が経った日の夜、久々に私と夫は喧嘩をしてしまいました。

寝ていて、すり寄ってきた夫に対して私は思わず、背を向けてしまったのです。そんな私に不満を抱き、夫が言いました。

「この頃、なぜ、俺を拒否するんだ?」

そう夫から言われれば、確かにそうかもしれません。とくに最近は……。

しかし、私が婚外恋愛を始めるまでは私にはもう関心がないと言わんばかりに横になるとすぐにいびきをかいてそのまま、朝まで寝入ってしまう夫でした。

それが、婚外恋愛を始め、自分を磨くことに精を出すようになったとたんに夫のほうから求めてくることが多くなってきたのです。

彼とホテルで過ごした日の夜などの夫の求めは、正直言ってどう取り繕ってもその気になれず、つい反射的に夫に対して背を向けてしまいます。

「なあ」

「なに?」

背中越しに聞こえてきた夫の言葉にぶっきら棒に返事をする私。

「お前、男でもできたのか?」

夫の言葉に突然、大きく動悸が打ち始めました。動悸で激しく上下し始めた胸を隠すように手を胸の上において言いました。

「なぜ、そう思うの?」

我ながら良い返答ができたと思いました。

「男なんているわけないじゃないの!」と、強く反論すればするほど、「男はいます」と、肯定しているような気がするのです。

このような場合は一呼吸おいた、あるいは一歩下がった物言いが効果的なのではないでしょうか?

「いや、最近、おしゃれになったというか、まあ、そのきれいになったというか…」

「えっ。ホント、きれいなった?」

「ああ」

私はクルリと夫のほうを向き、夫の首に両手を回して、「チュッ」と夫の唇に軽くキスをし、しばらくはそのまま、じっとしていました。

やがて、お酒が入っている夫は軽いいびきをかいて寝入ってしまいました。私はそれを確認して、夫の首から自分の手をはずし、夫に背中を向け、考えました。

「いつまでごまかせるかしら」

ごまかすことができるのであれば、このままの状態で人生を送ることができたらと思っていました。

 

私にとって最大の悲劇が訪れる

ところが、私にとって最大の悲劇が起こってしまったのです。

彼が死んでしまったのです。それも私との待ち合わせ場所にくる途中、事故にあって……。

彼の車と大型トラックが衝突したのです。

彼を待っていると、事故の瞬間が見える位置ではなかったのですが、耳を劈くような大きな衝突音が聞こえました。まさか、彼が起こした事故とはあのとき、夢にも思っていませんでした。

「あっちで事故があったようだ」

ゾロゾロと衝突音がしたほうに人が歩いて行くので、私もまだ来ていない彼を気にしつつ、ついていきました。

彼の車の前半分が大型トラックの下敷きになっていました。原型をとどめていた車の後ろ半分で彼の車とはっきりとわかりました。

それからどうやって私は自宅に辿り着いたのか全く記憶がないのです。よく何事もなく無事に家についたと我ながら感心しています。

TVニュースによると、事故原因は彼の信号無視ということでした。どう考えても信号無視などするような人ではないのですが、私との待ち合わせ時間に遅れそうになり、急いだための信号無視なのでしょうか?

彼が死んでしまった以上、信号を無視した原因は永遠に謎です。

 

彼は死んでも家の中では普通にしていなくては……

何が辛いって最愛の彼が死んだばかりというのに、家では平静を装わなくてはいけないこと。

もう何もする気がなく、到底、夕食を作る気にはなれません。スーパーで肉を買って、簡単に食べられる焼肉にしました。

 

姑があいかわらず「入歯の調子が悪くて肉は食べられない」というので、ごはんと冷奴を出しました。

夫と子供たちは、大喜びで肉を頬張っています。

 

もう彼はいないんだ……。

「ママ、美味しいよ。食べないの?」

「いや、その前に化粧を落としてくるわ」と、浴室の横にある洗面室に向かいましうた。

焼肉の強い臭いと夫や子供たちのはしゃぐ声がしています。

私はどこで泣けばいい?

思いっきり泣ける場所はどこ?

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