私は多分、良い母親ではありません。
私の実家で二世帯同居しているのですが、母が『孫命!』なのをいいことに、母に子供を預けっぱなしにしてパートしたり遊んだりしています。
それでも、家族を裏切るようなことはしないで生きていくつもりでしたが、従妹が開業した弁当屋を手伝いだしたことをきっかけに、従妹の旦那さんと親しくなっていって、先日、酔ったはずみでエッチしてしまいました!
どうしましょう!?
都会での共働きがうまくいかず、実家で同居
東京で旦那と出会い、結婚して二年後に出産。
保活戦争になんとか勝ち抜いて子供を預けて共働きしていましたが、仕事と家事と育児で完全にオーバーワーク!
毎日イライラして旦那との喧嘩が絶えなくなった時に、旦那が私の地元に転勤することが決まりました。
仕事にやりがいも感じていたので転勤についていくか迷いましたが、『孫命!』の私の母が、同居するなら育児を全面的に協力してくれると言ってくれて、結局、旦那と子供とともに実家に転がり込みました。
こんなこと現実では言えませんが、私は我が子をそこまで大事に思えません。
『自分よりも子供が大事!』と言い切る人をすごいとは思いますが、自分にはちょっと無理。
母も私のことは割と放置で育てたはずなのに、孫になると違うのか、孫を溺愛してほとんどの世話をしてくれるので、東京にいた頃では考えられないくらい、自分の時間を多く持てるようになりました。
7年ほど離れていた地元なので、帰ってきた当初は友達と遊びまくり、それが落ち着いてからは、あまり責任のないパートの仕事をお小遣い稼ぎ程度にするようになりました。
育児は実母に任せっぱなしで、自分は気楽なパート。
「あまり笑わない子だな~」と思っていた我が子は、ばぁばの愛情のおかげかよく笑うようになり、私よりもばぁばに懐いています。
笑うようになったら、「うちの子けっこう可愛い!」とも思えるようになり、誰にとっても正解のいい引越しだったと実感し始めた頃、従妹が夢だったお弁当屋さんを自宅敷地内で開業しました。
他人を雇う余裕のない従妹が私の母に相談し、母からも頼まれてそのお弁当屋さんを最低賃金程度で手伝うことになったのですが…それが人生最大の過ちを犯すきっかけになってしまったのです!
修羅場の舞台に?運命を変えた弁当屋
結論から言うと、まだ本当の修羅場にはなっていません。
私の心の中は修羅場ですが、まだ過ち犯したてホヤホヤの状態なので誰にもばれていないのです。
一線を越えてしまった三日後に弁当屋で店番をしている時、『ここがそのうち修羅場になるのかな~』なんてぼんやり思ったという話です。
2才年下の従妹とは昔から仲が良くて、お互いママになってもランチに行ったり親しくしていたので、まさかこんなことになるとは…という感じです。
従妹が自分の夢をつめこんで始めた弁当屋は、ワンコインで美味しくて、すぐにママたちの間で話題になりました。
見た目も綺麗で、食材にこだわっていて、味も良し!
世の中では低カロリーとか薄味が女性ウケしているようですが、それって実話かなって思っちゃいます。
従妹の弁当屋は、盛りつけは品があるけどガッツリ肉メニューも多く、しっかりとした味付け。
子育て中で体力を使っているママたちに、あっという間に評判になりました。
最初は従妹と従妹の母親(私の母の妹)の二人で店を切り盛りしていましたが、当初思っていた以上に忙しくなり、私に手伝って欲しいという声がかかったというわけです。
従妹の弁当屋は一見繁盛しているのですが、実は理想を詰め込みすぎているため薄利多売になっていて、経費を引くと、レジ打ちで稼ぐ額と大差ないそうです。
従妹自身もママなので、近所のママたちに人気となってしまったお弁当の値段を上げることも、品質を下げることも反感を買いそうでできず、ちゃんと人を雇う余裕はないとのこと。
家賃タダで実家に住んでいるのだから、大変な親戚をちょっとくらい手伝ってやれと母に言われ、低い時給で手伝える日は手伝うことになったのです。
私の仕事はレジ打ちがメインなのでけっこう楽ですが、狭い調理場では従妹と叔母が忙しすぎてカリカリしながら調理、盛りつけをし続けています。
弁当屋は従妹の家の敷地内にあるので、休憩時間は従妹の家で賄いの弁当を食べながら過ごすのですが、そこで従妹の旦那さんと親しくなってしまいました。
従妹も叔母も弁当屋の切り盛りで頭がいっぱいで、旦那さんや子供のことは二の次。
弁当屋は土日休み、営業職の旦那さんは平日休みで一緒に過ごせる時間がもともと少ないのに、家族といる時も弁当屋のことばかり考えている従妹に不満が溜まっているようで、旦那さんは会うたびに苦笑しながら従妹のことを愚痴ってきました。
私は気楽に働いて育児もほとんどしないダメ母なのに、弁当屋で頭がいっぱいの従妹の旦那さんには、私が『家族のために仕事をセーブして余裕のある生き方をしている家庭的な女性』に見えているようで、「私さんみたいな女性と結婚すれば良かった~。弁当女と結婚した俺は人生大失敗だよ」などと、ちょっとドキッとすることを言われるたびに、従妹を擁護しながら必死の冗談で返しました。
旦那さんと急接近からの初エッチ!
会えば話すくらいの旦那さんとの関係が動いたのは突然でした。
地元の友達と飲みに行く約束をしていて弁当屋のパートを断っていた日に、大量注文が入ったからどうしても手伝って欲しいと従妹に頼み込まれてしまったのです。
私が飲みに行く予定だと知っていた従妹は、
「旦那が休みだから、仕事終わったら居酒屋まで送らせるから!お願い!」
――うわっ!旦那さん、そんなことに使われたらまた怒るぞ~。
と、家庭内の関係を考えるとちょっと怖くなりましたが、必死に頼む従妹に断りきれずに、仕事が終わったら旦那さんに居酒屋まで送ってもらう条件で仕事に入ることにしました。
波風を立てぬよう、本当は自分1人で居酒屋まで行きたいところですが、仕事が終わる時間がギリギリなため、仕事をするなら直接居酒屋まで送ってもらうしかなかったのです。
従妹と旦那さんがどのようなやり取りをしたか知りませんが、仕事が終わるとものすごく不機嫌な旦那さんが、約束通り居酒屋まで送ってくれることになりました。
もちろん、車中は『弁当女』の愚痴!愚痴!!愚痴!!!
自分も仕事をしている旦那さんにしてみれば、休日にパートの私の飲み会の送迎を頼まれるなんて、確かに嫌だろうなぁ~と思ったので、少しでも旦那さんの気が晴れるように適当に相槌を打ってあげました。
私に従妹の愚痴を吐きまくった後、居酒屋で私を下ろす時に、
「俺もそのあたりで飲んでるから、終わったら連絡してよ!今日は飲む!私ちゃん、後で飲み直そうよ!」
「いいですねぇ!今日はとことん飲みますか!」
社交辞令のつもりでそう言って別れたら、友達との飲み会が終わった頃に旦那さんから電話があって、旦那さんが飲んでいるというスナックに呼ばれました。
「私ちゃ~ん!こっちこっち!」
スナックに入るのは初めてで、物珍しくてキョロキョロしながら、カウンターの旦那さんの隣に座りました。
スナックでの会話も当然のように従妹の愚痴だったのですが、スナックのママのこきおろすような、突っ込むようなトークがけっこう面白くて盛り上がってしまい、旦那さんと飲みながらついつい長居してしまいました。
スナックを出る頃には旦那さんとだいぶ仲良くなり、
「私ちゃ~ん、ボク、弁当女のところに帰りたくないよ~」
「そうだよね~。だったら、うちの近くのビジネスホテル泊まっちゃえば?たまには、距離を置く時間をとってもいいんじゃないかな?このままイライラして帰るより、その方が冷静になれて仲良くいられるんじゃない?」
「はぁ~!やっぱり、私ちゃんは優しい!俺も私ちゃんみたいな子と結婚すれば良かった!」
「けど、フリーターだよ?」
「子育てママはフリーターじゃないでしょ!俺は嫁は専業主婦がいいくらいだもん!ニート万歳!温かい家庭にはニートが必要だよ~!うちの子も俺も弁当より地位が低くて可哀想すぎない!?」
「も~、酔ってるって!」
私たちは代行でビジネスホテルに向かいました。
ベロンベロンに酔っていた旦那さんをベッドに寝かせて帰ろうとしましたが、
「私ちゃ~ん、行かないで~!さびしくなっちゃうよ~!」
「きゃあ!ちょっと!」
旦那さんに腰にしがみつかれて振り払おうとしましたが、旦那さんはけっこうイケメンで、四つ年下。
甘えられると可愛くなってきちゃって、本気で振り払ったりできずに、よしよしと頭を撫でてしまいました。
「従妹ちゃんが悲しむようなことはできないけど、落ち着くまでは一緒にいてあげるからね」
これがいけませんでした!
抱きついている腕はしだいに弄りにかわり、愚痴や甘えはいつしかキスになりました。
酔っ払っていた私は、母性本能が暴走してしまって、『好き』とか『可愛い』とかでなく、『慰め』のつもりで彼を受け入れてしまったのです。
従妹にないがしろにされて傷ついている彼をはねつけるのが可哀想で、話を聞いて慰める延長で、彼にされるがままに…
とんでもないことをしてしまった!
そう気づいたのは、一眠りした後でした。
まとめ
不幸中の幸いというべきか、私は彼より早く目を覚ましたので、とりあえず、服を着て、持ち物だけ持って部屋を出ました。
こんな簡単に、自分が不倫をしてしまうなんて信じられませんでした。
しかも、雇い主でもある仲良しの従妹の旦那さんと!
旦那さんは、嫁の従妹の私にどういうつもりで手を出したのでしょう?
これからも関係を続けるつもりだったのか、それとも私のように一夜の過ちだったのか…
不倫なんて最低と思っていたのに、よりによって、親戚づきあいの濃い田舎で、身内と関係してしまうとは…
あの夜以来、旦那さんとはまだ会っていません。
良い母親ではありませんが、悪い母親にはなりたくないので、従妹との泥沼の修羅場もなく、このまま誰にもばれずに終わってくれたらいいなと思っています。